
『断熱材の違いを体感できる施設がある』そう聞いて、さっそく住まいスタジオに行ってきた。
東京新宿駅から徒歩5分ほどで、到着。
何が体験できるのかというと、断熱性能の違う3軒の家を、同時に比べることができるのだ。
昔の家 ・・・1980年(昭和55年)基準
今の家 ・・・2016年(平成28年)基準
これからの家 ・・・2030年義務化よりもさらに上、スタンダードとすべき基準

これが全景。
手前から奥へ向かって、3軒の家が見える。
ひとつの大きな冷蔵庫の中にすっぽり納まっていて、気温は0度。
若ぶって薄着で入ってしまい、大後悔のワタシ。

パッと気が付くのは、室外機の駆動音。
昔の家はフル稼働でブンブン回っているけど、これからの家は時折止まったりしている。
つまりは、昔のは電気代ガンガンかかるけど、今の家はかからないってこと。
むかしの家(昭和55年基準)

実際には部屋一つ一つに入室して体験したわけだけど、画像は外から。
昔の家は、なんといっても「床が冷たい」。
長時間いると足の指先がジンジンしてくる。
テーブルの窓際の席に座ると、背中にひんやりとした隙間風を感じる。
温かいのはエアコン直下の頭だけ、という感じだった。

断熱模型を見れば、一目瞭然。
断熱材と書かれた「グラウール10K 50㎜」というのは、今から見ればあまりに貧相。
もっとも、これより前は「断熱材」という概念すらなかったのだから、あるだけマシか。
サッシも単板ガラス仕様です。
単板ガラス×冬、それは結露です。
私も子供の頃は冬の窓ガラスにできた結露に、たくさん落書きをしたものです。
窓際にタオルを敷いたり、カビちゃったガラスを年末にゴシゴシしたりと、想い出がいっぱい。
現代の家(2016年/平成28年基準)
2016年なんてついこの間…なんて思っていたけれど、もう10年前なんですね。
サッシもペアガラスになっているし、透湿防水シートや外壁通気層なんかも装備されて、すっかり現代の家です。
しかし、実感としては寒い。
法で定めれた最低基準「断熱等級4」仕様とのことだけど、「快適な」とは程とおい感じがする。
靴下を通じてひんやり感は伝わってくるし、窓際のスースー感もまだある。
それでも、エアコンが効いている部屋の中は、言われなければそれほど不快ではない。
それを感じるのは、トイレに立った時だ。
実は昔の家も今の家も、それぞれ2部屋ある。部屋と廊下だ。
この廊下に出た時の「寒っ!」という感覚は、温度差が激しい今の家ほど感じるかも。
おばあちゃん、おじいちゃんちで、トイレを借りるときのあの感覚。

スリッパを履いていると感じないが、靴下でいるとじわっと冷たい床。

昔の家と大きく違うのは「通気層」の存在。
断熱材が、徐々に厚く、高性能化するとともに、さっきの結露が生じるように。
そう、壁内がカビてしまい、健康被害が問題になったことだ。
解決するために「透湿防水シート」(つまり雨は侵入させないけど、室内の湿気は排出する)が導入。
さらに、「通気層」とよぶ1.5センチほどの隙間を設けることで、壁内に風が通り、室内の湿気を外へ排出しようというもの。
これからの家(HEAT20 G2)
最後に入ったのは「これからの家」2030年のスタンダード基準とも言われている、いわゆる高気密高断熱の家。断熱等級でいえば等級6だろうか。
床に立っても座っても、もう冷たくない。
となりの廊下にでても、ヒヤッとしない。
窓際に立っても、スースーしない。
ただ、ずるいなぁと思ったのは換気扇に熱交換器がついていること。
単純に壁床天井の性能差はあると思うのだけど、そもそも暖かい空気を逃がさない細かい工夫が、より快適さを創り出すんですね。

硬質ウレタンフォームを贅沢に使った仕様。
このウレタンフォームがたっけーのよ。(高くてもオトク、という話しは後述)

三つの比較
ではこれから3つを比べながらみていきましょう。
まずは室内のヒートグラフ。
赤~黄色~緑~青、と寒くなるよう色分け。
注目すべきは「室温」。実は3つとも21.4℃~23.6℃とそれほど変わりがない。
にもかかわらず、なぜあれほどに体感温度が違ったのか。

それは、床の温かさの違い。
床に注目してみると、昔の家は青が濃いが、これからの家は全体に黄色い。
そして、暖房費の比較。
昔の家 ・・・28,000円/冬
今の家 ・・・13,000円/冬
これからの家 ・・・7,000円/冬
その差、実に4倍。

屋外から窓をみたサーモグラフ。
昔の家の熱がダダ洩れ。
窓ガラスにペタッと手のひらを付けると、じんわり温かいのが昔の家。
それだけ熱が漏れているということ。
それと。
今の家とこれからの家、ガラス自体にはそれほど差がない。
違うのはフレームが「樹脂アルミの複合」か、「樹脂のみ」かの違い。
熱を伝えにくい「樹脂」は、それだけ熱を逃がさないってわけ。

最後に、エアコンの対流イメージ。
熱は冷たいほど下に、温かいほど上にいく性質がある。
だから、昔の家にエアコンを入れても、暖かい空気は初めは勢いよく下に向けて噴出されるが、冷たい空気に弾かれて上にたまりやすい。だから熱い人と寒い人がでてくる。
一方、これからの家は、エアコンの熱風は冷やされることく部屋の隅々へ行きわたるので、部屋のどこにいても寒くない。つまり快適。
いかがでしたでしょうか。
このほかにも、最新のIT機器や、日照の変化などの体験など盛りだくさんの体験でした。
無料で、しかも一般の方も、体験できるんです。
(プロ/業者むけでは決してない。お姉さんが丁寧に説明してくださいます。)
ぜひ一度お勧めします。予約してみてください。
https://www.lixil.co.jp/s/sumai_studio/
C’ZBでは、「等級5」仕様を実装しています。
今回の体験に当てはめると、今の家とこれからの家の中間です。
ユニットハウスなので、予算を掛ければ等級をあげられる、というものではないのですが、地道に研究を続けて等級6,等級7と目指していきたいと思いました。
オクツP
